日神運輸「青果の配送ブランド」ダンボール一つも歪めない完璧な配送を実現

  • 取材日 2023年3月7日
  • 会社名 日神運輸株式会社
  • 住所 神奈川県平塚市東真土3-3-29
  • TEL 0463-55-4113

みなさんこんにちは。今回は神奈川県の平塚にある日神運輸(にっしんうんゆ)株式会社を訪問しました。この日神運輸は、山栄青果という青果店で取り扱う野菜の配送を担う青果専門の運送会社です。

この山栄青果の歴史は古く過去を遡ると大正時代、山徳商店を創業した初代伊藤勘右エ門という人物にはじまります。二代目伊藤倉次郎の遺志を受け継ぎ、 昭和43年に設立されたのが青果の卸売商社 山栄青果です。山栄青果はその設立以前から契約栽培を全国に先駆けて行っていて、様々な地域の生産者との交流があり、JA(全国農業協同組合)と協力の下、消費者が安心して食することのできる野菜・果物を出荷・販売することを大切にする会社となりました。

昭和50年にはこの山栄青果が取り扱う野菜を配送するための会社「日神運輸株式会社」を設立します。今回取材にお伺いしたのがこの「日神運輸」です。

青果を取り扱う「山栄青果」、 その青果の配送を行う「日神運輸」

という関係ですが、皆さんが想像するような物流を担う運送会社とは全く異なっていました。数多くの野菜に対するこだわり、運送に対する想いなど驚くことが多くありました。今回は日神運輸の社長である伊藤 修光さんにお話を伺いましたが、その時間は4時間にもわたり、多くの話を聞けたので、濃い内容でお届けできれば幸いです。

日神運輸株式会社 伊藤 修光 社長

若い頃からとんでもない暴れん坊だったとお話する伊藤 修光社長。今では皇室から園遊会などにも招待される様になって自分でも信じられないとお話していたが、その半生はかなり苦労の連続だったようです。

社長室の机

働き盛りの43歳の頃に大病を患ったという。体調がおかしいと気付き、病院へ行ってよく診てもらった結果、即入院となってしまいました。仕事の何もかもをストップさせて何週間も療養することになってしまったが、社員の献身的な働きによりお客様には一切迷惑をかけることはなかったという。会社が問題なく動いたのは社員一人一人がそれぞれの役割を果たすよう指導を行い、自らも率先垂範してきた結果ではないかと、進んできた道に間違いは無かったと、確信を持つことができたそうです。そして今もその多くのスタッフに恵まれて、とても良い会社だと自慢げにお話してされていました。

およそ20台のトラックを所有している

さて、日神運輸では約20台のトラックで三浦半島を中心として西は関西、東は宮城あたりまでの青果を配送している。8〜10月ごろは三浦半島での青果が少ないため、群馬の嬬恋(つまごい)の青果を取り扱うという。特に春頃になると三浦半島の春キャベツは最盛期を迎え、日神運輸のトラックは春キャベツの配送のために走り続け、質の高い物流によって三浦の春キャベツのブランドをも支えていると言っていいだろう。

キャベツのイメージ

日神運輸の特徴は、なんといってもすべてのトラックに冷蔵機能を完備し、きちんと活用しているということだ。これは青果専門の運送業者というだけではなく、完璧な品質を保証するために必要不可欠な設備であり、運用方法であるという。野菜は冷やしすぎても水分が野菜の中に溜まってしまうので、配送温度は10〜15度をしっかりと保つことがとても大切であり、それを厳守しているそうです。

20年以上走っているトラックだが整備が行き届いてピカピカ

また、日神運輸では徹底して事故品を減らすことに尽力しており、事故品は極端に少ないことも特徴だという。青果という食品の取り扱いは他の商品とは違うということもあり、そのこだわりは配送時の箱の凹み一つ無いように心がけており、例えば温度に問題があると野菜だけでなくダンボールにも水分を含みダメージを受けたりもするので細心の注意を払っているという。

その配送のこだわりが少しずつ認知され、日神運輸で配送してもらうということ自体がブランド化されていることが嬉しいとお話されていました。

とてもキレイに整頓されている整備工場
旭産業製のエアゲージを工場で発見

日神運輸では、所有する20台ほどのトラックについて、安全走行を自ら守ることを基本とし、日常点検とメンテナンスは会社内の整備工場にて自分達の手で行っている。日常点検の中でもタイヤの空気圧管理はとても重要で、精度に信頼のある旭産業のタイヤゲージを使っていただいていることは、大変光栄に思います。